全身がんの医師が語る終活。

終活なんてまだはやい?

「死ぬときはがんが最適」。全身がんの医師が語る終活。

石藏さんは医師だけに、我々とは違った辛さを、お感じだったようです。

「昨年2月、体調不良の原因が分からなかったときが一番つらかった。
僕も医者なので“マズイもの”だとは察していました。
でも、データを見ても前立腺がんだけでは説明がつかない。
それが全身がんだとわかったときは、『なるほど。この病気ならこのデータになるな』と納得できました。
治療法もだいたいわかるし、最高に具合も悪かったので、冗談抜きで死をすぐそこに感じました。
そこで腹をくくってしまったので、体調がよくなってきた今はラッキーぐらいに思って、わりと吹っ切れています。
『あと2、3カ月先はわからない』と思いながら1年半生きている心境としては、『命が増えている』という感じ。ありがたいですよね」。

ただ、終活に関しては、ポジティブに捉えられていることが次もコメントでよく分かります。

「死がまったく怖くないわけではありませんが、僕はがんになる前から『死ぬときはがんが最適』と考えていました。
がんは、人生の終わりまでのプランニングがある程度できるからです。
そもそも長生きは絶対にイヤで、70歳ぐらいで死ねるのが理想だと思っていました。
あと2、3年先だとすれば68、69歳までなので、まあいい感じかなと思っているんですよ。

長生きがイヤな理由は認知症になって人格崩壊した姿をさらしたくないからです。
今はこうして取材を受けても普通の話ができますけれど、そのうちはた迷惑なことを言い出すんです。
実際、そういう例をたくさん見てきたからわかるのです。
いろんなものがおっくうになって、認知機能も低下して、終活もまともにできなくなりますから。

だから今、僕はどんどん終活しています。物は捨てているし、遺品整理リストも作っています。
なにしろ物が多いから、後片付けの負担を軽くしないと家族が大変ですからね。
あと、今診ている患者さんの紹介状も書き始めています。
いずれ整理しなければ……と思っていたものが、こういうことになったので
積極的に整理できるようになるという意味では、がんは悪いことだけではない。
じつは、もう葬式の会葬の品も用意してあります。

日刊ゲンダイデジタル 2021年9月21日公開より抜粋
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/276739

前立腺がんと全身がんで闘病中ながら、ゴルフもテニスも毎週プレー。
心療内科医の石蔵文信さんが語る終活は、とても参考になりました。
死と直面してみえるのに、毎日を前向きに生きてみえる先生の

「認知機能も低下して、終活もまともにできなくなりますから」というコメントは、現在健康で「終活なんか、まだ早い」と思っている人にも響くと思います。

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